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2026.06.05 遺産相続

死亡保険金を受取人以外が受け取る場合の相続|生命保険金は誰がいくらもらえる?相続税はかかるのかを解説

死亡保険金を受取人以外が受け取る場合の相続|誰がいくらもらえる?相続税はかかるのかを解説

死亡保険金を受け取る人が先に亡くなっていた場合、想定外の人が死亡保険金を受け取ることがあります。

生命保険の受取人変更がされないまま、相続が起きてしまった場合に

誰がいくら受け取れるのか?
相続税はかかるのか?

という疑問についてわかりやすく解説します。

目次

死亡保険金を受取人以外が受け取る状況とは

典型的なケースは、受取人が先に亡くなっている場合です。

例えば、

  • 契約者兼被保険者:夫
  • 保険金受取人:妻


この状態で妻が先に亡くなった、ところが、夫は受取人の変更手続きを忘れたとします。

その後、夫が亡くなると、受取人の妻はすでに死亡しているため、妻以外の人が死亡保険金を受け取ることになります。

受取人が死亡していても死亡保険金は受け取れる?

受取人が死亡していたからといって、死亡保険金が全く受け取れなくなるということは早々ありません。

ただし、問題となるのは誰が受け取れるかです。

死亡保険金は誰が受け取る?受取人の決まり方

受取人が死亡している場合、次の順序で決まります。

①保険会社の約款

まず確認すべきは保険会社の約款です。

死亡保険金の基となるのは、契約者と保険会社との間の「契約」になります。

そのため、受取人も受取額も、約款に従います。

まずは契約している生命保険会社の約款を確認しましょう。

②受取人の相続人

保険会社との「契約」で決められていなかったときは、保険法46条が適用されます。

保険法46条(保険金受取人の死亡)
第四十六条 保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

つまり、亡くなった受取人の相続人全員が、受取人になります。

ここで誤解されやすいポイントがあります。具体的な受取額です。

相続人が複数いる場合、死亡保険金を法定相続分で分けるわけではありません。

受取額は、相続人の人数で頭割りになります。

この根拠は、過去の裁判で次の規定に当てはめると判示されたためです。

民法427条
(分割債権及び分割債務)

第四百二十七条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。

死亡保険金を受取人以外が受け取った場合の相続税

もし、死亡保険金を受け取ることになったら、次に気がかりになるのは税金です。

保険料を負担していた人と被保険者が同一人物のとき、死亡保険金には相続税が課税されます。
ただし、すべてのケースで相続税申告が必要になるわけではありません。

申告不要になるケース

亡くなった人の財産が、次の基礎控除額を下回っていれば相続税の申告が免除されます。

3,000万円+600万円×法定相続人の人数

申告が必要なケース~相続人かどうかで税金が変わる~

相続税申告が必要な場合は、死亡保険金を受け取る人が亡くなった人の相続人かどうかがポイントです。

この違いによって、

✅非課税の恩恵が受けられる人か
✅相続税が1.2倍になる人か

が変わるためです。

次の事例で確認しましょう。

親族図

次のような順に相続が起こり、死亡保険金を受け取ることになったとします。

①受取人Yが死亡
②子Bが死亡
③被保険者Xが死亡

そうすると子A、子Bの配偶者、孫C・孫Dが受取人(緑枠)になります。

この4人について確認すると…

✅子Bの配偶者は亡くなった人Xの法定相続人ではありません。
✅子A、孫Cと孫Dは亡き子Bの代わり(代襲)となって亡くなった人Xの法定相続人になります。

生命保険金等の相続税の非課税

「生命保険金等の相続税の非課税」は、次の金額まで死亡保険金が非課税になる規定です。

500万円×法定相続人の人数

ただし、非課税の恩恵を受けられるのは亡くなった人からみて「相続人」に限定されています。

そのため、

✅子Bの配偶者は受けられない
✅子A、孫C・孫D 受けられる

という違いが生じます。

相続税の2割加算

相続税の2割加算の適用があると、その人は相続税が1.2倍になります。

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含みます。)および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。

引用元:国税庁 No.4157 相続税額の2割加算 (マーカー筆者)

この事例では、亡くなった人から見て子Bの配偶者は、

✅血族(血のつながり)でない
✅亡くなった人の配偶者でもない

結果、受け取った死亡保険金について非課税をうけることができず、通常の1.2倍の相続税を負担することになります。

まとめ|死亡保険金の受取人変更を忘れずに

死亡保険金を受取人以外が受け取るケースの多くは、受取人変更手続きの漏れが原因です。

そのまま放置すると、想定外の人が保険金を受け取ることになったり、相続税が増えたりなど問題が起きやすくなります。

心当たりのある方は、一度、保険契約の受取人を確認してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の執筆者

死亡保険金を受取人以外が受け取る場合の相続|生命保険金は誰がいくらもらえる?相続税はかかるのかを解説
川﨑 雅俊 MASATOSHI KAWASAKI
なほ税理士事務所・代表税理士
石川県金沢市で相続専門の税理士事務所を開業。 上場企業の経理から、大手税理士法人を経て独立。相続税申告・贈与税申告・相続税対策など、相続に関する分野を専門とする。
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