【金沢市近郊の方へ】相続資料の集め方|役所別
こんにちわ、なほ税理士事務所の大﨑です。
相続税の資料集めは大変な労力がかかりますが、ポイントを抑えることで効率よく回ることができます。
私自身も相続人となり実際に経験した内容を踏まえて、地元、金沢市内での書類集めの流れをまとめました。
目次順に役所を回るとスムーズに相続税申告の準備を進めることができます。
平日が難しい方には、郵送やオンライン申請の有無も★マークにて掲載しています。
▼目次
金沢市役所
最初に行くと後々の手続きがスムーズです。
【金沢市役所で入手する資料】
- 名寄帳
- 戸籍謄本等
- 住民票・住民票の除票
- 印鑑証明書
名寄帳
★郵送申請可
お亡くなりになった年分の名寄帳(なよせちょう)を取得します。
名寄帳とは
固定資産課税台帳を所有者ごとにまとめたもの
固定資産税課税台帳との違い
名寄帳には、固定資産税が課税されていない財産についても記載されています。
固定資産税が課税されていない=相続税評価が0ではありませんので、抜け漏れがないよう、名寄帳を取得します。
Q.市民センター(出張所)で名寄帳は取れますか?
市民センターでは、名寄帳は取得できません。
市役所に郵送申請する場合-手数料の支払いにご注意!-
郵送申請する場合、手数料は「定額小為替」で支払うことになります。
定額小為替は、貯金窓口がある郵便局で購入可能です。
貯金窓口は土日祝日は営業しておらず、平日のみで16時で閉まります。
郵便局が営業していても購入出来ないことがあるので注意してください。
郵便局へ訪れる際は、平日16時までに窓口で購入し、定額小為替を封入してそのまま郵送すると効率が良いです。
▼最寄りの郵便局が小為替を購入できる郵便局かこちらから検索できます。
郵便局・ATMをさがす
戸籍謄本等
★郵送申請可
窓口で専門用語で確認されることが多いです。落ち着いて対処しましょう。
【入手する書類】
- お亡くなりになった方の戸籍謄本等
- 相続人の戸籍謄本等
お亡くなりになった方の戸籍謄本等(出生から死亡まで)
申請書類に記入をします。
「出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本をください」と窓口にお伝えください。
その際に理由を聞かれますので、「相続手続きで必要です。」と伝えればOKです。
◎ポイント
担当者にもよりますが、「戸籍謄本をください」と言うと、
「除籍(じょせき)や原(ハラ)はどうしますか?」
と専門用語で確認されます。
落ち着いて、「どちらもお願いします。」と答えましょう。
ない場合は、なしでOKと伝えてください。
- 戸籍謄本
日本の国民ということを登録して証明するもの。 - 除籍謄本(通称:じょせき)
戸籍に記載されていた方全員が、その戸籍からいなくなった戸籍のこと。 - 改正原戸籍謄本(通称:ハラ)
戸籍は現在に至るまでに度々様式が変更されています。様式が変更される前の、昔の戸籍のこと。
郵送申請をする場合
「相続手続きのため、出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本の発行をお願いします。」とメモを添えて郵送すると良いです。
相続人の戸籍謄本等
現在の戸籍(現在戸籍)を取得します。
相続人は出生からの分を取得する必要はありません。
Q.親族の戸籍を代理で取得できる?
▶親や子・祖父母、配偶者→取得可能
自分と同じ戸籍に入っているのであれば、自分の戸籍を取得すれば記載されていますので、別途取得する必要はありません。
▶兄弟姉妹→委任状がなければ取得できません。
兄弟姉妹から「ついでに私の分も!」と頼まれた方は、事前に委任状にサインと印鑑をもらってから行きましょう。
住民票の除票・住民票
★郵送申請可
【入手する書類】
- お亡くなりになった方の住民票の除票
- 相続人の住民票
住民票の除票(じょひょう)とは、死亡などにより住民登録が削除された住民票のことをいいます。
お亡くなりになった方の最後の住所を確認するために必要になります。
記載事項はこのように指定してください。(相続人の住民票も同様です。)
- 世帯主との続柄→記載
- 本籍→記載
- マイナンバー→不要
Q.親族の住民票を代理取得できる?
▶ご自身と同一世帯(住民票が同じ)の方→取得可能
自分と同一世帯の親族であれば、ご自身の住民票を取得することで記載がされていますので、別途取得する必要はありません。
▶住民票が別の方→委任状がなければ取得できません。
委任状が必要になります。
事前に委任状にサインと印鑑をもらってから行きましょう。
印鑑証明書
★郵送申請×
【入手する書類】
- 相続人の印鑑証明書
相続税申告書を税務署に提出する際に、原本の添付が必要になります。
これ以外に相続手続きなどでも使用しますので、予備に2通ほど取得しておくと良いでしょう。
マイナンバーカードをお持ちの方は、コンビニでも取得できます。
(土日祝日でも取得可能)
金沢地方法務局
市役所で入手した名寄帳を元に申請書類を記入し必要書類を入手します。
また、あわせて「法定相続情報証明」の申請手続きをします。
【金沢地方法務局で入手する書類】
- 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 土地の地図(公図)・地積測量図
【手続き】
- 法定相続情報証明の申請
不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
★オンライン申請可
申請用紙に名寄帳をみながら、取得したい不動産の所在地を記入して窓口に出します。
基本的に記載例の通りに書けばOKです。
不動産の数が多く書ききれない方は、市役所で取得した名寄帳を添えて窓口に提出します。
謄本の発行手数料は1通600円かかります。
発行手数料は印紙を購入して支払いますので、現金を多めに持っていくと良いです。(カード払いはできません)
オンライン申請にて取得すると、1通500円と安くなります。
手数料の支払いに注意点がありますので、ご確認ください。
このような書類が取得できればOKです。
不動産の地図(公図)・地積測量図
★オンライン申請可
申請用紙に、名寄帳を見ながら取得したい不動産の所在地を記入して窓口に出します。
申請用紙の下半分(水色の枠の部分)は、上記のように記入してください。
窓口に提出すると、「地積測量図はありませんでした。」と言われることがありますが、ない場合はOKです。
※地図(公図)とは
周辺の土地との位置関係や形、番号が記されている図面。おおまかな場所を調べるために使用する。
※地積測量図とは
土地の測量図のこと。地積の確認などに使用する。
法務局のオンライン申請-手数料の支払いに注意-
不動産謄本や地図・地積測量図の取得はオンライン申請も可能です。
▼こちらから手続き可能です
法務局|登記事項証明書(土地・建物),地図・図面証明書を取得したい方
オンライン申請にすると手数料が安く、1通500円(送料込)で取得できます。
手数料はインターネットバンキングか、Pay-easyに対応したATMで支払う必要があります。
事前にご自身の金融機関が対応可能か確認しておくと良いでしょう。
▼こちらから対応可能な金融機関を調べることができます。
法定相続情報証明の申請
★郵送申請可
法定相続情報証明とは、誰が相続人なのかを法務局が証明した書類です。
市役所にて取得した戸籍の束を1枚の証明書にまとめてくれます。
証明書は何枚でも無料で取得できます。
複数枚取得しておくと、戸籍の発行手数料の節約や、再取得する手間が省けたりなどのメリットがあります。
申請から概ね10日ほどで出来ます。
▼こちらから申請に必要書類を確認できます。
銀行など金融機関
銀行の担当者は相続手続きに不慣れな方が多いです。(あくまでも筆者の感想です。)
事前予約制でなくとも、あらかじめに電話をかけ、入手したい書類名と来店日時を伝えておくとスムーズです。
法務局から法定相続情報証明を入手した後に行くとベストです。
【入手する資料】
- 残高証明書
- 取引履歴(通帳が見当たらない場合)
- 既経過利子の計算書(定期預金がある場合)
残高証明書
銀行の窓口で以下の3点を伝えます。
- 残高証明書は死亡日の日付で発行してください。
- 出資金や借入金などを含め、銀行で管理しているすべての取引について残高証明書を発行してください。
- 残高証明の記載は、口座ごとに口座番号と残高を記載する形式で出してください。
伝えるのが難しい場合は、上記の項目を担当者にスマホで見せるとよいでしょう。
農協の残高証明に注意
農協での手続きは、預金や借入金、出資金などの取引別で残高証明書の手続き様式が異なります。
手続き書類を取り寄せる際には、事前に「すべての取引について残高証明を取得したい」旨、伝えておくと良いです。
取引履歴
相続税申告では、お亡くなりになった日から遡り、最低でも7年分の通帳が必要になります。
過去7年分の通帳が見当たらない場合は、足りない期間分の取引履歴を依頼します。
既経過利子の計算書
既経過利子の計算書とは、定期預金等をお亡くなりになった日に解約したと仮定した場合につく利息額を計算した書類です。
故人が生前、定期預金をお持ちであった金融機関に発行依頼します。
銀行によって書類の名称がかわりますので、窓口の担当者が何のことか分からないようでしたら、こちらのサンプルの画像をみせてください。
▼サンプル
北國銀行の定期預金利息計算書
ゆうちょ銀行(残高証明書の備考欄に記載)
銀行によっては、そもそも計算書を発行していない銀行もあります。
筆者が確認した限りでは、下記の銀行は計算書を発行していないそうです。
- 興能信用金庫(本店にTELにて確認)
まとめ
相続税申告のために必要な書類を集めるためには、市役所での手続きを最初に行い、その後法務局、銀行や信用金庫での手続きを順に進めるのが最も効果的です。
各役所や金融機関の手続きには、郵送やオンライン申請の選択肢もあるため、事前に確認し、効率的に進めましょう。
※記事は2024年8月現在の情報に基づいています。