生前贈与を非課税で始めよう【やり方4ステップ】図解付き
「生前贈与をしたいけど、税金が心配で手が出せない…」
そんな方のために、非課税で現金を贈与する方法を4ステップでご紹介します。
今回は、現金の贈与に限定して、できるだけわかりやすく解説していきます。
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◆まずは全体の流れをチェック!
生前贈与を非課税で行うための4ステップはこちらです。

- 相続時精算課税制度が使えるか確認する
- 相続税への影響を調べる
- 贈与する
- (相続時精算課税制度が使える人のみ)税務署へ手続きする
前半2ステップでは、「非課税で贈与できる金額」を確認し、
後半2ステップでは「実際の贈与と手続き」を行います。
◆STEP1 相続時精算課税制度が使えるか確認
〇相続時精算課税制度とは?
最大2,610万円(基礎控除110万円+2,500万円)まで贈与税がかからない制度です。
非課税で贈与できる上限が大幅に上がるので、最初に利用できるか確認しておきましょう。
▼利用条件

- ①贈与する人→60歳以上の父母・祖父母
- ②贈与を受ける人→18歳以上の子や孫
この制度の注意点は、
- 税務署への手続きが必要になること
です。
この特徴を踏まえて、使える人も使えない人も、次の確認ステップへと移りましょう。
◆STEP2 相続税の影響をチェック
自分が相続税申告の対象かどうかを確認
以下の計算式で、自分が将来「相続税の申告が必要か」調べましょう。

ここまで出来たら次の早見表で非課税で贈与できる上限を確認します
非課税で贈与できる金額を確認(早見表)
STEP1、STEP2の判定を元に非課税で贈与できる上限額を確認してください。

年間:1/1~12/31までの暦どおりの期間を指します。
※1 精算課税が使えない方
自動的に「暦年贈与」という贈与制度を使って贈与することになります。
年間110万円以下の贈与であれば、税務署への手続き不要で贈与税が非課税になります。
※2 相続税申告の対象になる方
暦年贈与では、亡くなる前7年間の贈与について、相続税の対象になります。
贈与後7年以上経過しないと相続税の対象から外れないので、贈与者の健康状況にも気を配りましょう。(R13.1.1以後に死亡の場合)
※3 年間110万円を超える贈与
年間110万円を超える贈与については、相続税の対象になります。
2,500万円の枠を使い切るまで贈与税はかかりませんが、相続時には相続財産として足し戻されます。
贈与税も相続税も非課税で贈与を実現したい方は、年間110万円の枠内に留めておきましょう。
◆STEP3 贈与を実行する
贈与する金額が決まったら、実際に現金を渡しましょう。
振込は「窓口」で行うのがおすすめ
贈与は「あげる人」と「もらう人」の意思が必要です。
ATMやネット送金だと誰が操作して送金したかあげる人の意思確認ができないため、銀行の窓口で本人確認を受けてから振込を行うと安心です。
どうしてもATMやネットから送金したい方は、別途「贈与契約書」の作成もしてください。
STEP1で相続時精算課税を使えなかった方は、これで非課税で贈与する手続きは終了です。
◆STEP4 (該当者のみ)税務署への手続き
相続時精算課税制度を使える方は、贈与した翌年の2月1日〜3月15日までに、税務署への申告が必要です。
この手続きは、「贈与でお金をもらった人が」行います。
▼提出が必要な申告書
- 相続時精算課税制度選択届出書
- 贈与税の申告書
これらの申告書は、イータックスという税務署が公開しているサイトを使うと質問に答えていくだけで作ることが出来ます。
(リンク)e-Tax
一連の手続きは限られた期間に行う必要があり、忘れやすいです。
スマホのカレンダーなどでリマインド設定しておくと安心です。
非課税の生前贈与、今日から始めてみよう!
ここまでの内容を簡単におさらいしましょう。
- STEP1:精算課税制度の利用条件をチェック
- STEP2:相続税の影響を確認
- STEP3:非課税枠内で贈与実行(110万円 or 2,610万円以内)
- STEP4:STEP1該当者は税務署へ申告
「一人で始めるのは不安…」という方は、生前贈与の専門家に相談するのもひとつの手です。
なほ税理士事務所でもご相談を賜っておりますので、お気軽にご利用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またのコラムをお楽しみに!