相続時精算課税制度のデメリットとは?落とし穴にハマって後悔しないために

相続時精算課税で生前贈与すれば、最大2,610万円まで贈与税がかからない―
メリットばかりが注目される一方で、後で「選択しなければ良かった」と後悔するケースもあります。
それは、「税金が増えた」といった単純な話ではありません。
後悔される方の多くは、贈与から何年も経った後で問題に直面しています。
そこで本コラムでは、
精算課税を選択したいけれども、失敗したくないという方に向けて、精算課税のデメリットを解説します。
目次
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相続時精算課税を選択すると何が起きる?
デメリットを知るには、まず相続時精算課税を選択すると何が起きるのか確認しておく必要があります。
〇税務署への申告が必須
特別控除額2,500万円
この恩恵を享受するには、税務署へ贈与税の期限内申告をしなければいけません。
※無申告の場合、特別控除額は利用できません。
〇税務署に記録が残る
精算課税の本来の目的は、
財産を贈与した人が亡くなった時に、過去の贈与分を相続税の対象にすることです。
つまり、税務署サイドからすれば
😊「贈与時点では税金を取らないけども、相続のときに払ってね」
という話になるので、何年前の贈与であっても「しっかり」記録が保管されます。
〇税務署の記録は入手可能
そして、税務署が管理している精算課税の記録は、情報開示請求することで入手可能です。
▼情報開示制度について詳しく
デメリット1:生前贈与が兄弟にバレる
相続税申告が必要なご家庭の場合、
精算課税の特別控除額2,500万円を使った生前贈与は、
兄弟など他の相続人に、絶対にバレます。
〇なぜ兄弟にバレるのか
精算課税の本来の目的は、過去の生前贈与分を相続税の対象にすることです。
そのため、
税務署は相続人から請求があれば、過去の精算課税に関する情報を開示します。
結果として、
😠 兄だけ2,000万円もらっていた
😡 妹だけ親から多額の援助を受けていた
といった事実が判明することになります。
情報開示したことが火種となって争いに発展しようが、税務署はお構いなしです。
すると、このように考えたくなります。
😒 何年も前の話だし、過去の生前贈与分を抜いて申告すればよいだろう
精算課税分を無視して相続税申告を行うとどうなるのでしょうか?
税務署から「申告内容に誤りがあります。税金が足りません」
即座にこのような電話がかかってきます。
税務署が黙っていてくれることはありません。
〇バレて争いになったらどうなるのか
遺産分けの話し合いで、相当不利な立場に置かれます。
過去に多額の生前贈与があったことが発覚したことで
😡生前贈与があったことを白状しろと迫られる
😡財産が全く相続できなかった
😡家庭裁判所で調停することになった
😡他の相続人から特別受益や遺留分を主張された
こういった事例がよく起こります。
▼特別受益について詳しく
デメリット2:税務署の目が厳しくなる
税務署は、
😊「贈与時点では税金を取らないけども、相続のときに払ってね」
というスタンスなので、財産をあげた人に相続が起こるまで記録を大事に保管します。
〇相続税申告への期待
相続がおきたなら、いよいよ税務署は相続税申告を期待します。
そのため、財産を贈与した人に相続が起こると
税務署から相続税申告を促すお手紙
「相続税申告のお尋ね」が届きやすくなります。
簡単にいうと、
😉「相続のときに払ってね」という約束、覚えてるよね?
と行動に移るわけです。
〇高くなる相続税
精算課税の特別控除額2,500万円を使って受け取った財産は相続税の対象になります。
相続時にその財産が実際に手元に残っているかどうかは基本的に問われません。
たとえ、もらった財産を使い切ったとしても、既に贈与の恩恵を受けている事実は変わりません。
相続税申告書という紙のなかでは、手元になかったとしても数字上、財産に含まれます。
結果、手元に現存している財産よりも大きく財産が計算されるので 相続税は高くなりがちです。
まとめ|相続時精算課税はデメリットも確認して
相続時精算課税制度には大きなメリットがあります。
一方で、他の相続人に隠し切れなくなるリスクも無視できません。
また、お客様へデメリットをきちんとお伝えすることも、専門家の大切な役割だと思います。
メリットだけ強調する情報にはお気をつけください。
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