STEPNから学ぶ暗号資産の税金 基本編
歩くだけで始まる税務申告
普段のウォーキングやランニングを「稼ぐ」に変えた画期的なアプリゲーム「STEPN」!
既にネット上では、「STEPN」の税金上の取扱いに関する動画などが多数みられ、ご覧になった方の中には「えーーーなんでそうなるの??」、「本当に正しいのか不安になってしまう」、といった印象を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回は「STEPN」ユーザーの皆様が気になる税金計算の対象となるポイントについて、国税庁の示したルールブックをもとに検証していきます。
税務署への対抗手段を装備したい方は必見です!
▼検証した国税庁の資料
暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)
※注意事項
以下の解説は執筆時点(2022年6月時点)で公表されている情報を元にしています。私見を含んでおり、今後の国税庁が公表する見解によっては異なる取扱いとなる可能性が有る点について、予めご留意ください。
SOLの購入
STEPNを始めるにはアプリ内で「スニーカー」と呼ばれるNFTを購入する必要があります。
このスニーカーの代金はソラナ(SOL)という暗号資産で支払う必要があるため、まずはSOLの購入が最初のステップとなります。
ここでは、SOLを海外取引所で購入する手順を検証してみます。

❶ 国内取引所でBTCの購入
A 税金計算の対象とならない
❷ BTCの海外取引所への送金
A 税金計算の対象とならない
❸ BTCとSOLの交換
A 税金計算の対象となる
上記❸のBTCとSOLの交換は、『暗号資産同士の交換を行った場合』に該当します。
▼参考(タップで拡大)

スニーカー(NFT)の購入
次に「スニーカー」と呼ばれるNFTをアプリ内で購入する作業に進みます。

❶ SOLをウォレットに送金
A 税金計算の対象にならない
❷ SOLを消費して、スニーカーを購入する
A 税金計算の対象となる
このとき、SOLを消費して、別の暗号資産であるNFT(スニーカー)購入しているわけですから、先ほどと同じように、税務上は「暗号資産同士の交換を行った場合」に該当すると考えられます。
歩いて、走ってGSTをもらったとき

A 税金計算の対象となる
この獲得した「GST」は、マイニングやステーキングで報酬を得たときと同様の取扱いになると考えられます。
※以下の「等」の中に含まれます。
▼参考(タップで拡大)

GSTを日本円に換金したとき
「GST」は最終的に日本円に換金することができます。
しかしながら、直接、円に換金できるわけではなく、GSTを一旦、SOLなどに交換してから円に換える必要があるのでこちらも一連の流れに沿って、検証します。

❶ ウォレットからGSTを引き出す
A 税金計算の対象とならない
❷ GSTをSOLに交換する
A 税金計算の対象となる
先ほどのBTCとSOLを交換したときと同じです。
❸ SOLをBTCに交換する
A 税金計算の対象となる
❹ BTCを日本の取引所などに送る
A 税金計算の対象とならない
❺ BTCを円に換える
A 税金計算の対象となる
暗号資産を日本円に換金する取引は、『暗号資産を売却した場合』に該当します。
▼参考(タップで拡大)

まとめ
税金の対象となるタイミングを、STEPNの取引に沿って解説しました。
根拠をもってどこが課税対象になるのか、ならないのかを知っておくことは、税務署から皆様の身を守る武器となります。
国税庁が発表している資料は読むことが難しいですが、一番確かな情報です。
暗号資産の投資を安心して続けるためにも、定期的に税務上の取り扱いを確認しておきましょう。

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