親の土地に家を建てたい!親の死後に相続できるか・税金がかからないベストな方法はどれ?

親の土地に家を建てた、あるいはこれから建てたいと考えている方にとって、
将来、「どうやって親の土地を引きつぐのか」という疑問は避けて通れません。
- ・親の死後に相続できるのか
- ・引きつぎに税金はかかるのか
- ・生前に名義は変えておいた方がよいのか
このような疑問についてわかりやすく解説します。
目次
- 1.親の土地の引きつぎ方は3種類
- 2.相続で引きつぐ時~親が亡くなったら~
- 3.生前贈与で土地を受け継ぐ場合
- 4.親から土地を買う(売買)の場合
- 5.どの方法で親の土地をもらうのがベスト?比較表
- 6.さいごに
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親の土地の引きつぎ方は3種類

相続は、親が亡くなった後に名義を変える方法、
生前贈与と売買は、亡くなる前に名義を変える方法です。
相続で引きつぐ時~親が亡くなったら~
相続での引きつぎは相続人の同意がカギ
親が亡くなると、親名義の土地はいったん、相続人の共有となります。
相続人となる人は法律で決められており、亡くなった親の配偶者や子がなります。

共有を解消して自分の名義にするには、
遺産分けの話し合い(遺産分割協議)にて相続人全員の同意が必要になります。
同意とは具体的に、遺産分割協議書という書類に実印を押してもらうことをいいます。
遺産分割協議で相続人のうち誰か一人でも反対すると、親の土地を引き継ぐことはできません。
- ・他の相続人が同意してくれるか分からない
- ・将来、確実に自分のものにしておきたい
そんなときは、
親に遺言書を書いてもらいましょう。
遺言書に書かれた内容は、相続人全員で「別の配分の方法にします。」と合意しない限り、優先されます。
相続した場合の税金は?
相続で土地を引きつぐ際にかかる税金は、主にこの2つ。
- ①登録免許税 0.4%
(登記するための税金) - ②相続税
(親の財産が一定額以上ある場合にかかる税金)
登録免許税は、3種類ある土地の引継ぎ方のうちで最も税率が低く、安く済みます。
相続税は、親の財産金額が死亡時点で、次の計算式で求められる「基礎控除」を超える場合にかかります。
▼基礎控除
3,000万円+600万円×法定相続人の数
基礎控除を下回る場合は、実質、登録免許税の負担だけになります。
👉相続税がかからないご家庭は、相続が最も低コストで承継できる方法になります。
子が先に亡くなることも考えよう
相続での引きつぎを検討する際は、「自分(子)が親より先に亡くなる可能性」も考えておく必要があります。
子が先に亡くなった場合、親の名義の土地の上に子の家族が住むことになります。
そのような場合に、
✅残された家族が今まで通り安心して暮らしていけるのか
✅親と家族との関係に問題が生じないか
など、万が一のことも考えて、相続での引きつぎがベストか検討しておくことをおすすめします。
生前贈与で土地を受け継ぐ場合
生前贈与は、親が生きているうちにタダで土地をもらう方法になります。
相続を待たずして、好きなタイミングで自分の財産にしておけるというメリットがあります。
- ✅ 相続でモメそう
- ✅ 親が遺言書を書いてくれない
- ✅ 自分が万が一先に亡くなった時にトラブルが起きそう
- ✅ 先に自分の名義にしておきたい
そのような方は、生前贈与を検討してみてください。
生前贈与の税金は?
生前贈与で土地を引きつぐ際にかかる税金は、次の3つ。
- ① 贈与税
- ② 登録免許税(2%)
- ③ 不動産取得税(住宅用地の場合3%)
贈与税は、もらった財産金額に応じて税率が上がり、最大で55%の課税となります。
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
土地は高額なので、おのずと税負担も大きくなります。
ところが、贈与税には「相続時精算課税」という制度があり、この制度を使い贈与すると、税負担を大幅に少なくすることができます。
◯相続時精算課税制度とは?
最大2,610万円(基礎控除110万円+2,500万円)まで贈与税がかからない制度。
贈与した年の翌年2/1~3/15までの間に、届出書を税務署に提出することで適用が受けられる。No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁
税務署への手続きが必要になりますが、
土地の価格が2,610万円以内におさまれば、贈与税0円で引き継ぐことも可能です。
ただし、
- ・一度選択したら通常の贈与に戻ることはできない。
- ・この制度を活用して引き継いだ財産は、将来相続税の課税対象となる。
という特徴があるため、利用にあたっては慎重な判断が求められます。
💡やり直しがきかない手続きになりますので、税理士への相談をお勧めします。
一方、贈与税以外のコストは
登録免許税は2%(相続の5倍)、相続の時には0円だった不動産取得税が3%(住宅用地の場合)がかかります。
そのため生前贈与は、相続時精算課税が使えたとしても、相続で引き継ぐ場合に比べて割高になります。
👉生前贈与で引きつぎを検討するときは、コスト面以外のメリットをどこまで重視するかがポイントとなります。
親から土地を買う(売買)の場合
土地を親から買い取る方法(売買)で引きつぐこともできます。
親子間でも売買は可能ですが、実際にはこの方法をとる人はほとんどいません。
その理由は、「みなし贈与」として税金がかかってしまうリスクが高いためです。
みなし贈与とは?
たとえば、親が1,500万円の土地を子に「1円」で売ったとします。
この場合、親は大きな損をして土地を手放すことになりますが、
「損をした」だけなので、売る側(親)には税金はかかりません。
一方、子は、ほぼタダで高額な土地を手に入れることになります。
本来、土地を1円で売るようなことは、他人同士の取引ではまずあり得ません。
しかし、親子などの家族間では、適正価格よりもかなり安い値段で売買されることがあります。
そこで税務署は、
🤔「実際には売ったのではなく、贈与(プレゼント)したのと同じでは?」
と考えます。
このように、実際にはお金を払っていても、極端に安い金額での取引は「贈与があった」と見なされ、適正価格との差額に対して贈与税がかかることになります。
これを「みなし贈与」と言います。

この「みなし贈与」という法律があるために、親子間といえども、子は「適正価格」で親から土地を購入せざるを得ません。
つまり、売買によって「みなし贈与」と言われるリスクを負うのであれば、
最初から生前贈与か相続で承継するほうが得という判断になります。
👉どうしても親から土地を買い取りたい事情がない限り、生前贈与か相続を検討すると良いでしょう。
どの方法で親の土地をもらうのがベスト?比較表
最後にコスト面と選び方の目安について、比較表にまとめました。
ご自身がどの方法で親の土地を引きつぐのか、判断の参考にしてください。
●引きつぎ方別比較

●【参考】2,000万円の土地を引き継ぐ場合のコスト
■前提条件
・生前贈与 (贈与年の1/1において、親60歳以上、子18歳以上)
・相続(相続税がかからないと仮定)
(単位:万円)
| 生前贈与 | 生前贈与(精算課税) | 相続 | |
| 贈与税 | 585.5 | 0 | 0 |
| 登録免許税 | 40(2%) | 40(2%) | 8(0.4%) |
| 不動産取得税 ※住宅用地3%で計算 | 60 | 60 | 0 |
| 合計 | 685.5 | 100 | 8 |
●どの方法があなたに合っている?選び方の目安
▼相続が向いている方
- ✅ 相続まで待っても良い
- ✅ 相続人間の仲が良い
- ✅ 遺言書を書いてもらえる
- ✅ コストを安く抑えたい
▼生前贈与が向いている方
- ✅ 今すぐ自分の名義にしたい
- ✅ 自分が先に亡くなった場合の家族関係が心配
- ✅ 遺言書を書いてもらえない
- ✅ 相続でモメそう
▼売買が向いている方
- ✅ 親から適正価格で買い取りたい
- ✅ 今すぐ自分名義にしたい
さいごに
不動産の引きつぎは、人生において重要な決断になります。
一人で決断が難しいという方は、相続専門のなほ税理士事務所にてご相談を賜っております。
ご相談をご希望の方は、WEB予約よりお申込みください。
(有料相談:1時間5,500円)
最後までお読みいただきありがとうございました。
またのコラムをお楽しみに!
※本記事は令和7年8月時点の法令に基づいています。
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