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2025.11.27 生前贈与

【夫婦間の贈与税はおかしい?】生活費・NISA・プレゼントは課税されるのか徹底解説

【夫婦間の贈与税はおかしい?】生活費・NISA・プレゼントは課税されるのか徹底解説

「夫婦間のお金のやり取りに贈与税がかかるなんて、おかしいのでは?」そんな疑問をお持ちの方は非常に多いです。

しかし結論から言えば、夫婦間でも贈与税は課税されます。
ただし、すべてのやり取りが課税対象になるわけではありません。

この記事では、
夫婦間の贈与税が「おかしい」と誤解されやすい理由と、
実際に課税されるケース・されないケースを整理して解説します。

目次

贈与税はどんな税金?夫婦間でも対象になるのはなぜ?

贈与税とは、
贈与をきっかけに財産をもらった人に課される税金」です。

たとえ夫婦であっても、
“夫と妻のどちらの財産か” の区別はされるため、夫婦間で贈与が成立すれば贈与税の対象とされるのが原則です。

夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
民法762条(夫婦間における財産の帰属)

夫婦間で贈与税がかからないケース

贈与が成立しても贈与税がかからないケースは2つあります。

〇 年間110万円以下のとき

贈与税には110万円の基礎控除というものがあります。
贈与する金額が年間110万円以下の範囲におさまっていれば、税金は0円。
税務署への申告も必要ありません。

もらったお金をNISAへの投資や高級バッグを買って自分へのご褒美など、何に使っても贈与税はかかりません。

〇 生活費や教育費

夫婦の間でも贈与が成立することや、110万円の基礎控除のことを知ると

  • 🤔夫から妻への生活費も年間110万円以内にしないと課税されるんですか?


と疑問に思うかもしれません。

その答えは―いいえです。

実は、夫婦間や親子間の生活費や教育費は非課税とされる贈与にあたります。
そのため、贈与税の対象にはされません。

つまり、 110万円を超えても贈与税がかかりません。

ただし、無条件に贈与税がかからないわけではなく、次の条件を満たす必要があります。

① 夫婦や親子、兄弟姉妹など(扶養義務者)からの生活費・教育費で、
②「通常必要と認められる範囲」で
③「必要な都度使う」

この「通常必要と認められる範囲」の基準について、国税庁は以下のように説明しています。

被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいうものとする。
相続税法基本通達21の3-6(生活費等で通常必要と認められるもの)

かんたんに言うと、「もらう人の生活面で欠かせないお金といえるほどの必要性があるか、あげる人の経済力などの個別事情をふまえ、一般常識とかけ離れた金額になっていないか」ということです。

このように主観的なところがあるので、

「生活費なのに課税された」と税務署と争う事例が起きやすく、夫婦間の贈与税が“おかしい”と感じられやすいのです。

また、生活費・教育費であれば無制限にOKではなく、税務署から高額なお金のやりとりは「生活費ではない」と判断されるケースもあることを意識しておきましょう。

夫婦間の資金移動で“課税される場合”とは?

生活費という名目でも、以下の場合は贈与税の対象です。

● 生活費として渡したが、あまりを貯金していた
● 渡したお金を株式や不動産の購入に使っていた

贈与税が非課税になるのは、そのお金を生活費や教育費に「その都度使う」ことが条件です。

貯めていたり、生活費や教育費以外に使った場合は非課税にはなりません。

したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。
出典:国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合

最近、問題となりやすいのが、NISAの非課税枠を埋めるために夫婦間で送金し、株や投資信託を購入することです。

特に、NISA口座は開設時に税務署の審査が入ります。

金融商品の動きは税務署の監視下にあることを意識しておきましょう。

実際、税務署からこのようなお尋ねが届くことがあります。

名目ではなく、税務署はきちんと実態を確認してきます。

くれぐれも、「贈与じゃなくて生活費なんだ!」と主張すれば税務署が認めてくれるというウワサに惑わされないようにしてください。

贈与税が課税されない夫婦間のお金の渡し方

ここまでの、贈与税がかからない場合をまとめました。この特徴を踏まえて、課税されないお金の渡し方のコツを2つご紹介します。

● コツ① 非課税ルールを併用する

「110万円以内の贈与」と「生活費・教育費」のルールは、併用できます。

▼例

・夫から妻へ、生活費として月30万円×12ヶ月=年間360万円わたした。
・さらに誕生日にブランドバッグ110万円をプレゼントした。
→ 合計470万円を渡した。

生活費の360万円は、常識の範囲内で、都度きちんと生活費として使った場合、贈与税0円。

ブランドバックは、年間110万円以内のプレゼントなので贈与税0円。

合計で470万円、夫から妻へ渡しても贈与税は0円です。

☝️非課税ルールを賢く併用すると、年間110万円以上でも贈与税はかかりません。

● コツ② 生活費等の非課税にならないときは110万円ルール

生活費や教育費として受け取ったお金を…

❌ 貯金する
❌ 株を買う
❌ NISAで運用する

これらは すべて課税対象 になります。

このようなやり取りを非課税にするためには、110万円以下のルールを使うことになります。

この場合は、

贈与契約書を作成しておき、110万円を超えた場合はきちんと税務署に申告・納税しておくと安全です。

☝️税務署への申告は、e-Tax(イータックス)という国税庁のサイトを使って行うとかんたんに作成出来ます。

まとめ|夫婦間でも贈与税はかかる―正しい理解が必要

最後に要点をまとめます。

■ 贈与税の基本ルール

✅夫婦間でも贈与税がかかる
✅年間110万円以内は非課税(使途自由)
✅生活費・教育費は「通常必要な範囲」で「都度使う」こと
✅高額なお金のやりとりは注意。税務署から「非課税ではない」と言われることがある

■ 課税されないお金の渡し方

生活費・教育費+110万円以内の贈与を併用する
貯金したり投資の資金にするときは、110万円ルールを活用
 → 必要に応じて贈与契約書・贈与税申告・納税をする

夫婦間のお金のやり取りは「家族だから大丈夫」と軽く考えられがちですが、税務署は日々、課税できるチャンスがないかチェックしています。

「夫婦間 贈与税 おかしい」と感じる前に、正しい知識を身に付け、安心して資産管理を行いましょう。

必要に応じて、専門家に相談することもリスク回避につながります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の執筆者

【夫婦間の贈与税はおかしい?】生活費・NISA・プレゼントは課税されるのか徹底解説
大﨑 菜穂子 NAOKO OSAKI
なほ税理士事務所・税理士・行政書士
石川県金沢市で相続専門税理士事務所を開業。 一般事業会社の経理から、金沢市内の税理士法人を経て独立。 相続で苦労した経験から、相続に悩む方の一助になりたいとの想いで税理士を志す。
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